洋楽と脳の不思議ワールド

60年代のマイナーなビート・バンド紹介と駄洒落記事、書評に写真がメインのブログです。

愉快な話・・・The Hillbilly Moon Explosion

凌霄花(のうぜんかずら)

 

 

 

季節外れの萩の花。

 

 

 

 

夢野久作の主要な作品は文庫であらかた読めると思うが、全集でなければ読めない作品を紹介しよう。

調べたら、幸いなことに「青空文庫」で読めるからだ。

タイトルは「いなか、の、じけん」。

文壇デビュー初期作品で、昭和3年から昭和5年まで、このタイトルのもとに書かれた20篇のショートショートストーリーだ。

最初は雑誌「探偵趣味」に,、次いで雑誌「猟奇」に発表された。

 

この中から2篇だけ紹介する。

 

 

「一ぷく三杯」

ある村にどけち婆さんがいる。

この村では、年に何回か、村の費用で振る舞い飯の行事がある。

婆さんは2,3日空きっ腹にして出かけ、ここぞとばかり食べに食べまくる。

そんな振る舞い飯のあった翌日、婆さんが首を紐で絞められて死んでいるのが発見される。

警察が捜査した結果、婆さんはあんまり食べ過ぎたので、食べ物を戻しそうになり、せっかく食べた物を戻すのはもったいないからと、自分で首に紐を巻き、戻すのを阻止したのだけど、力をこめすぎて窒息死したのだと判明する。

 

 

「蟻と蠅」

地主の広壮なお屋敷の周りに、20数軒の小作人の小屋が並んでいる村がある。

地中に埋められた、産まれたばかりの赤ん坊の死体が発見されたのだ。

警察が小作人を調べたが、該当者がいない。

ちょうど、地主の娘が東京の学校から帰省していて、一日中家の中にいる。

彼女が怪しいのではないかと警察が訪(おと)なうと、娘は嫌疑をかけられたというので立腹し、「わたしにはちゃんとアリバイがあるんですからね」と言う。

警官をはじめ、村人の誰も「アリバイ」なんて言葉を知らないので、「じゃあ、そのアリバイを見せてください」と言う。

「うるさいわね。そんなに疑うならわたしの処女膜を調べて御覧なさいよ~」と娘。

以後、この村では「アリバイ」という言葉が全く別の意味で使われるようになった。

 

 

 

 

こんな話の後だから、女王様に「跪(ひざま)ずけ~」と言われたいよね。

The Hillbilly Moon Explosion で Down On Your Knees です。

https://youtu.be/H5vZI2DiBp4