映画評「こうやの用心棒」
監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド
ジャン・マリア・ボロンテ
ジャン・マリア・ボロンテ
音楽:エンニオ・モリコーネ
イタリア映画。64年公開。
日本公開:65年12月。
[あらすじ]
2人の悪徳親分が支配する町に流れ者がやって来る。
親分の名は、
木綿豆腐のあさ吉、
と
絹豆腐のぬめ三.
と
絹豆腐のぬめ三.
それぞれが、豆腐の独占販売を手にして町の利権を一手に握ろうと対立抗争している。
鋭い目つきの流れ者が町にやって来る。
咥えた葉巻、すばやい身のこなしから、この流れ者が「食」の道を究めたガンマン、通称「食道ガン」だと見破った2人は、彼を用心棒にして一挙にけりをつけようとする。
なにしろ「食道ガン」の2丁拳銃が火を噴けば、医者が診ても助からない、といわれるほどの早撃ちで有名なのだ。
が、「食道ガン」は2人の悪辣なやり口に腹を立てていて、彼ら悪の手から町の人々を守ろうと一計を案じるのだった。
「とうふ~、こうやとうふ~」
と、高野豆腐を作って売り出したのだ。
「きゃ~、高野豆腐よ~。ま~カロリーが低くて高たんぱくなのよね~」
と、たちまち女性のあいだで大人気。
と、たちまち女性のあいだで大人気。
あおりを食って、悪徳親分の店は閑古鳥が鳴き、店を閉めて町から出て行かざるを得なくなった。
腹を立てたのが木綿豆腐のあさ吉の弟のらもん。
らどんどすえ~
もめん なよ~というあさ吉の忠告を無視して勝負を挑んだ。
らもんは悪逆非道な男なので、高野豆腐を切り刻んで食道ガンにパッと投げつけた。
運悪く、切り刻まれた高野豆腐の破片が食道ガンの葉巻にはっしと当たったのだ。
葉巻から灰がぽとりと落ちた。
その灰が作りかけの豆腐の上に落ち、たちまち拡散して行った。
出来上がった豆腐の中に黒い点々が見える。
「きゃ~ゴマ豆腐もあるわよ~」
と女性客の間で大人気。
あっという間に売切れてしまった。
勝負に負けたらもんも尻尾を巻いてすごすごと逃げ出さざるを得ない。
こうして悪人は滅びたのだ。
悪人を退治した食道ガンの功績を町の人々は忘れない。
特に低カロリー、高タンパンクの豆腐のおかげでウェストがくびれた女性たちの感謝は絶大なものだった。
この出来事から町の名を「ま~カロリーウェストタウン」と名づけて永遠の記念にしたのだ。
この映画をボクは年の明けた66年に観た。
40年前に観たので記憶違いがあるかもしれない~。